ピクシブ様と永和システムマネジメントで社会人交換留学を行いました。
弊社からは私、@mtsmfm が、ピクシブ様からは @alpaca-tc さんがいらっしゃいました。

ピクシブ様サイドの記事: 永和システムマネジメントさんと「社会人交換留学」をしてきました

目的

今回、私は「自社サービスを外部リソースに頼ることなく勢いよく回しているチームの一員になる」ことで、「うち (永和) っぽいやり方」以外の気づきを得たくて交換留学に手を挙げました。
短い中でも、何より「チームの一員になる」ことでより深く気づきが得られると考え、それを大事にして行動しました。

受け入れ前

「社会人交換留学をしてみたい」という issue が GitHub に立ったのが 2015 年の 8 月。そこで私が手を挙げ、時期の調整を行い、具体的な時期が決まったのが 10 月の終わり頃でした。

また、事前に顔合わせはしておいたほうがスムーズだろうということで、ピクシブ様に伺いランチと社内のプロダクトに関するプレゼンを見せてもらいました。

うちの方ではちょうどいいタイミングで第2回 ESM オフラインリアルタイムどう書くが開催されるところだったので、@alpaca-tc さんにも参加してもらったり顔合せにパーティしたりしました。

やはり前もって雰囲気を知っておけるとお互いに安心感がありますね。

他には年末年始頃にお互いに GitHub の org に招待し、前もって開発環境のセットアップを行っていました。

留学中

一日の動き方は、インタビューがある以外は普通に業務している感じでした。

  • 10 時ちょうどに朝会 (ここでその日のタスクの相談)
  • 30 分から 1 時間程度社内インタビュー
  • タスク消化
  • イベント参加
  • 日報

まずはコード書いてからデプロイまでの流れを把握したかったので、初日デプロイを目指していました。簡単なタスクをもらい、社内のアカウント発行してもらってデプロイ。その後はなるべくチーム全員と絡みたかったので、朝にタスクの調整してもらいつつペアプロしたりしていました。

リポジトリ見せてもらったときにコードが綺麗で、実際行ってみて想像通りレベルが高かったわけですが、技術だけでなく、サービスに対して熱をもって仕事に取り組んでいる姿が印象的でした。
他に、「このチームに、リポジトリに commit してない人はいない」、「HTML とか文言の修正ならできる」とディレクタだろうが PR バンバン出していくのには驚きました。
金曜にはふりかえりがあり KPT をしたのですが、 K -> P -> T ではなく P -> K -> T と順序を変えて「P -> K とすることで気持ちを盛り上げる」と、枠を固定せずに自分たちに合うやり方を探すのもかっこよかったです。

また、週次のイベントが盛り沢山で、火曜に技術選択互助会、水曜に全体の数字周りやプロダクトに関する会議、金曜に勉強会と、非常に密度の濃い一週間でした。

インタビュー

1 日 1 回 30 分 (と言いつつ、ついつい長くなってしまった…)、どんなことしているか、どんなことを大事にしているか、といった話を私の質問ベースでインタビューさせてもらいました。その中で一番印象に残っているのが、 pixiv サービス開始時からインフラチームを引っ張ってきた執行役員の店本さんさんからお聞きしたインフラのモチベーションの話です。
「全部自分達でやってる感最高じゃん?」
「モチベーションが無くなったらいつでもやめて外出しするし、モチベーションがあるなら新しい取り組みもどんどん進める」
というようにモチベーションを大事にしていることが伝わってきました。

勉強会

社内勉強会に飛び入り LT 枠があるということで、その場で作って発表してきました。
うちの社内勉強会で @amatsuda さんに先日「OSS にタダ乗りしてるんじゃねえよ!」と活を入れてもらい、感銘を受けていたのでそれをおすそわけできないかなぁ、と Rails 本体のテストを直してみました、という発表をしました。

ふりかえり

最終日には交換留学の KPT を行いました。
やってみて思ったのは、1 週間という長さのちょうどよさを感じました。
あとは、事前準備であれもできたこれもできたという悔いがいくつか出てきました。

チームの一員になりたかったので、動き方、見え方としてお客様感があったのだとしたら嫌だったけれどそんなことはなかったようでよかったです。

得られたもの

今回の交換留学の一番の気付きとして、「ユーザにサービスを届けるぞ」という熱量の違いを感じました。考えているつもりでいても、お客さんは見えてもエンドユーザが見えていなかったように思います。
受託だからで済ませずに、まずは自分の考え方、動き方を見直さなければなりません。

他にはプロジェクト間の距離を埋めるための取り組みがいくつも見えましたが、その中でも技術選択互助会がとてもよさそうでした。
これは、会社全体としての技術の動きを見えるようにするための取り組みで、各プロジェクトが最近行った技術選択や、技術面での困りごとを箇条書き程度で書き、集まったときに資料なしで簡単に説明し、その後興味がある人同士で話す、というものです。
こういった取り組みは負荷が高いとすぐに立ち消えしてしまいますが、準備に手間をかけないカジュアルさに対して得られる効果やその盛り上がりが印象的で、真似させてもらうことにしました。

まとめ

非常に濃い 1 週間でした。
やっていることそれ自体は普段と大きくは変わらないのに、会社が、メンバーが、環境が違うだけでここまで違うものかと感じました。

ピクシブ様、今回はこのような機会をいただきありがとうございました。

自社の交換留学生第一号になるのは非常にプレッシャーを感じましたが、手を挙げて本当によかったと思っています。
お客さん先の開発チームで一緒に仕事することはよくありますが、「お客さん先」としてではなく「交換留学生」として行くと別の視点、別の経験が得られて非常におもしろかったです。

受託開発の会社とサービスをやっている会社での交換留学ということで、受託と自社サービスの違いを深く考えるきっかけになりました。
次は同じ受託会社と社会人交換留学をすると、今度は各社の特徴がより際だち、また違った発見があるかもしれません。
こういった取り組みをする会社がもっともっと増えて、カジュアルに留学できるようになるといいですね。

書いた人:@mtsmfm